誰が行くんだこんな山 イベリア半島最高峰を獲る

スペイン

Q:世界で一番高い山は?
A:エベレスト

Q:日本で一番高い山は?
A:富士山

Q:では、イベリア半島で一番高い山は?
A:………………

行ったらわかるでしょう。

イベリア半島と山

そもそもイベリア半島とはどこなのか。
ずばりそれは

スペインのあるところ

スペインの名産イベリコ豚と聞けば、ああ、イベリアの豚でイベリコ豚か、となるだろう。

あそこである。

そして、イベリア半島、スペインと言われれば何を思い浮かべるだろうか。

そう、だ。だろ?だよね?

フランスとの境はピレネー山脈がある。

ツールドフランスの舞台としても名高いこの山脈は日本からもトレッキングで訪れる人がいるそうな。僕は端っこの端っこをちろっと渡っただけなのであまり詳しくない。行こうと思っていたのに。どれもこれもコロナのクソ野郎のおかげである。

失礼。口が滑った。

北部には広い高原が広がり、南部よりも深い森がある。冬は雪に覆われる。これもまた魅力的だ。狼や熊も生息しているらしい。


そしてもう一つ、シエラネバダ山脈というのがスペインにはある。

シエラネバダ山脈

アンダルシア州はグラナダ県に位置するシエラネバダ山脈は3000mを超えるピークをいくつも持っている。
スペイン語で Sierra Nevada で雪の山脈という意味で、その名の通り冬は雪が降り、スキー場にもなる。

聞いたことのある人はおそらくアメリカの同名の山脈を想像しているのだろう。
今回はそれじゃないです。すんません。

その最高峰、つまりイベリア半島最高峰ムラセン山が今回の舞台だ。ピレネーよりも高いのだ、実は。
標高は3482m。南側は緩やかだが山頂から北は400m切れ落ちた崖になっている。
南側の町から登るルートが一般的だ。

ちなみに頑なに「スペイン最高峰」といわないのは、スペイン最高峰が本土にはないからだ。それはアフリカ大陸の西に浮かぶカナリア諸島にある。テイデ山標高は3718m。富士山よりは少し低いくらいだ。ロープウェイで登れるらしい。

さあ、さっそく登ろう。

登山

予定は、金昼出発→土曜登り避難小屋一泊→日曜下山帰宅 だ。

金曜日

さあ、地中海沿いの港町マラガで勉学に励んでいたぼくは、13:30の授業終わりちょうどに教室を飛び出しバスターミナルに走る。大きすぎず小さすぎない街のおかげで徒歩でも間に合うのがうれしい。

14時のバスに乗ってグラナダに向かう。1時間半くらいだ。
グラナダで乗り換え。16:30に、シエラネバダ山脈の南側の村々を通るバスに乗った。
バスターミナルは観光客が多いが、このバスに乗ればもう地元民しかいない。

僕の目指す村は、トレベレス。標高1500mほどのグーグルマップで見つけたムラセン山に最も近い(ように僕には見えた)村だ。山間を走って町に着くたびにそこの住人が下りていく。そうして揺られること3時間半。

目的地に着いた。谷底にあるので町の両側は山の壁だ。


ユースホステルにチェックインして、土日の天気を聞いてみる。
なんと日曜が大雨らしい。上では雪だろう、とのこと。

土曜日帰りに変更する。

登山届のようなものはないようで、僕はホストファミリーに計画を伝えてきていた。

土曜日

6:00 起床 

朝ごはん付きの宿だったので食べられるだけ詰め込んで7:30頃出発。
コースは、「湖ルート」で山頂まで行き、下りは「展望台ルート」で反時計回りにトレベレスに降りてくる。

だらだらと緩やかな登りが続く。地中海性気候度ど真ん中の地域なので樹木が極端に少ない。

そしてとにかくだだっ広い。日本で山登りをしていると「3000m級の山」と聞くとめちゃくちゃ急峻で険しい山を想像してしまうが、この山脈は、標高を言われないと高さが実感できないし、言われたとしても実感がわかない。荒野だ。

歩き始めて1時間ほどで日が昇った。稜線に出きっていないので日はまだ届かないが、上のあたりが赤く染まっている。

石造りの避難小屋らしきものがあったので休憩。

広い

沢沿いの道に入る。これだけ植物のない岩だらけの山にきれいな水が流れているのが面白い。

遠くの斜面にヤギがみえる。

と思ったら10mくらいの距離に群れがいた。BBCやNHKのドキュメンタリーでしか見たことのない立派な角のヤギ。

水を飲みにきているのだろうか

角をぶつけ合ってけんかする鈍い音が響く。頭蓋骨割れそうだ。

興奮して叫びそうになるが、逃げられたらもったいないので静かに観戦した。

沢を登りきるとルートの名前の由来の湖が現れた。おそらく一番水が少ない季節だからだろうが、水深は1mもなく、どちらかというと水たまりだ。ここで標高2900m。

風が吹き下りてきて寒いのなんの。岩陰でメシを食らう。偉大なる日清食品様の袋麺だ。うまい。
バーナーはプリムスのものを愛用しているが、ここではガスカートリッジは黄色ではなく赤だ。新鮮でカッコイイ。

その湖(水たまり)を左から囲うように稜線が伸びている。
よっこらせっと登ると頂上はすぐそこだ。
南側の斜面から稜線にでたので北風をもろに食らってとてつもなく寒い。

持っていた上着を総動員し歩を進める。

青い荷物

山頂だ。人まみれ。はやりに乗っかればまさに「密です!」状態。
登り全然人に会わなかったのにどこから湧いたんだ。
実は僕が登ってきた方はマイナールートだったようで、違う町から登る1泊のルートが一般的なよう。

頂上碑はたってはいたが、山というよりかは、「山脈全体で標高が高いけどここは偶々その中でも標高が高かった場所」というような印象だった。

山コーラ

とにかく寒いので写真もそこそこに下り始める。

とにかく山がのっぺりだだっ広いので普通に迷いそうになる。標識もほとんど立っておらず、天気が悪かったら遭難するかもしれない。

GPSアプリで方向を見定めながら下る。途中ヤギが少し案内してくれた。かわいいやつらめ。

「展望台コース」の展望台付近までたどり着いた。
ここからは急斜面を村まで1000m下るのみ。

しんどいんだこれが。登りでなくてよかったと心から安心した。

はるか下に真っ白なトレベレスが見える。なるほど、急斜面過ぎて谷底まで見えてしまうから「展望台」なのね。

一回飯食らい休憩をとって下る。

中央右に白く見えるのがトレベレス

村まで少しのところで牧草地を突っ切る。牛と目が合ってびっくりしてしまった。向こうも急に現れた人間にびっくりしていた。

さあ着いた。

歩行距離23.5km 獲得標高1919m  登山にしてはよく歩いたほうだ。

宿に戻る。

白壁のきれいな町

上で一泊する予定だったので、日曜の帰りのバスは午後4時のをとっていた。
速く帰れるならそれに越したことはないので早いバスを調べてみると、午前6時

なんだその時刻表は。
午前6時と午後4時の2本しかない。

仕方がないので早いバスで帰ろう。

日曜日

予報通りの大雨。レインウェアをかぶってバスを待つ。

バスに揺られて3時間グラナダが近づいてきた。窓のそとを見ると、なんと真っ白に染まったシエラネバダ山脈が見えるではないか。
どっしりとした雪山。めちゃくちゃきれいでかっこいい。
グラナダに住めば毎日これなのか。

この年(2019)初冠雪だったようだ。

ほんとうにぎりぎりのラインで雪山を避けて登ることができた。いやあよかった。

次は2月の雪山に来よう。

コメント

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